「粉体および粉末冶金」アーカイブ(20190703)

アーカイブ企画を始めるにあたって

出版編集委員長 松原秀彰  

 アーカイブ (archive) とは、重要記録を保存・活用し、未来に伝達することを意味します。今回のアーカイブ企画の目的は、まさしく「温故知新」(故きを温めて新しきを知る)の意味するところで「以前学んだことや、昔の事柄を今また調べなおしたり考えなおしたりして、新たに新しい道理や知識を探り当てること」にあります。
 本誌は1947年から今日までの約70年の間に約6,000もの論文(研究論文や解説等)が掲載されてきた歴史ある学術論文誌です。ここで、少し本誌の開始時(黎明期)を振り返ってみますと、第1巻は1947年で1~2号、81頁に14報が掲載されています。この年は昭和22年であり、終戦(昭和20年)直後となります。その後、第2巻は1948年、第3巻は1949-50年に発行され、1951~55年は発行が途切れ、第4巻は1956-58年と復活し、それ以降は今日まで毎年欠かさず発行されています。物資も資金もそして情報も少なかったこの時期に、この分野の先達らは、必死になって、かつ大きな希望を抱いて、本誌に研究論文等を投稿したに違いありません。
 現在、当協会のホームページからすべてのバックナンバーをどなたでも見て頂くことができますが、この貴重なアーカイブの論文や解説等には、まだまだ現在に役立つ重要な情報が沢山あります。出版編集委員会では、それらを再登場させ,これからも皆さんの研究活動に役立てて頂きたいと思い、本企画をとりあげました。

 

アーカイブ  「粉末接合現象に関する研究」 著者:岩瀬 慶三、小川 和彦 (解説:吉村 一良)

アーカイブ2 「粉体科学への手引き」 著者:岩瀬 慶三 (解説:目 義雄)

アーカイブ3 「鉄塩の熱分解による酸化鉄Fe2O3粒子形状の研究」 著者:高田 利夫 (解説:島川 祐一)

アーカイブ4 「水熱処理によるフェライト生成」 著者:斎藤 俊次郎、武井 武 (解説:北本 仁孝)

アーカイブ5 「粉体の焼結」 著者:鈴木 寿 (解説:松原 秀彰)

アーカイブ6 「粉末冶金法による熱電冷却素子について」 著者:京谷 益次 (解説:伊藤 孝至)

アーカイブ7 「Fe-Cu系軸受の焼結過程における空孔の生成機構について」 著者:渡辺 侊尚 (解説:林 哲也)

アーカイブ8 「超硬合金の問題点 –主にWC-Co系について–」 著者:深津 保 (解説:高橋 俊行)

 

 

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