協会賞受賞者業績内容
平成21年度
第49回
<功 労 賞>
粉体および粉末冶金に関する学界および業界に対する功績
高 野 幹 夫
現 職 京都大学 物質−細胞統合システム拠点 特定拠点教授 氏は,平成6年から22年まで理事として当協会の運営に多大の貢献をされた.特に,平成16年〜20年には副会長として, さらに,平成20年〜22年には会長として積極的な運営を牽引された. 永年に亘っての協会運営を通しての粉体および粉末冶金に関する学界および業界に対する貢献は大きい.
第49回
<研究功績賞>
非平衡構造ナノ粒子およびサイズ制御クラスターの創成と磁性の研究
隅 山 兼 治
現 職 現 職 東京電機大学 理工学研究科 特別専任教授 氏は,長年にわたり非平衡ナノ微粒子やクラスターの作製と物性に関して独創的で先導的研究を展開している.特に, 構造不規則性,非平衡構造,ナノスケール不均質,ナノサイズと磁性,電気伝導性及び電子状態,相関性の視点から の研究は,学術的のみならず応用・実用面でも高く評価されている.さらに,本協会への貢献も大きい.よって,同 氏の研究業績は本協会の研究功績賞に十分値する.
西 山 勝 廣
現 職 諏訪東京理科大学 システム工学部 機械システム工学科 教授 氏は,ホウ化物セラミックスに関する研究を長年遂行され,多くの成果を挙げられている.その1つにホウ化セラミ ックス粉体の常温合成(メタロサーミックリダクション)があり,これを応用した様々な複合材料の創成は顕著な成果 である.又,様々な応用製品(切削工具,防弾板,耐摩耗性塗料,潤滑剤,光触媒,化粧品,触媒,軸受等)を開発さ れており,産業界への貢献も大である.よって研究功績賞受賞に値するものである.
平 賀 啓 二 郎
現 職 独立行政法人 物質・材料研究機構 先端材料プロセスユニット NIMS特別研究員 氏は,酸化物セラミックスを対象に,高ひずみ速度での超塑性を発現させるための相構成・組成・焼結組織などの構 造因子とプロセス因子を体系的に明らかにし,高速超塑性を実現した.この技術は,セラミックスの新たな産業応用 へと期待される.
第49回
<技術功績賞>
電子機器用回路素子内蔵多層基板の開発と工業化
鷹 木 洋
現 職 株式会社村田製作所 技術・事業開発本部 材料開発統括部 執行役員 高周波回路に対応したセラミックス多層基板は現在広く電子機器に使われており,また日本の技術が非常に高い領域 である.氏は,この分野のリーディングカンパニーである村田製作所で,開発リーダとして本技術の進展と工業化を 牽引してきた.特に,誘電損失特性のみならず,無収縮焼成など,実用化における付加価値も本技術の価値を高める ものである.
超微粒WC粉末に関する技術開発
山 本 良 治
現 職 株式会社アライドマテリアル 材料研究部 参与 氏は,近年需要が急速の増加している超微細粒WC粉末の製造において,Wの精錬,還元,炭化過程における反応機構を 詳細に検討し,W酸化物粉末のC粉末による直接炭化法により,従来法では製造できなかった0.5μm以下の粒径の超微 細粒から世界最小の69nmのWC粉末の微細化技術を開発し,超微粒超硬合金の発展に多大の貢献をした.
第35回
<研究進歩賞>
WC‐SiC系硬質セラミック材料の合成および機械的性質に関する研究
杉山 重彰,泰松 斉
杉 山 重 彰 現 職 秋田県産業技術センター 素形材プロセス開発部 主任研究員 泰 松 斉 現 職 秋田大学 大学院 工学資源学研究科 材料工学専攻 教授
氏らは,従来Coをバインダーとして添加して液相焼結され,超硬工具として多用されているWCに関して,機械特性の低下なしに焼結性を
向上させる炭化物を長年探索し,高熱伝導性硬質材料として5〜20vol%のSiCを見出し,さらに粒成長抑制用にVCやCr3C2の二次添加物
も発見している.これらの内容は多数の講演や論文として発表され,特許登録もある.よって両氏の研究は,研究進歩賞受賞に値すると思
われる.
超高圧製法を用いずに通常の粉末冶金プロセスで製造したダイヤモンド粒子分散超硬合金に関する研究
森口 秀樹,宮本 欽生,森貞 好昭
森 口 秀 樹 現 職 住友電気工業株式会社 エレクトロニクス・材料研究所 アドバンストマテリアル研究部 グループ長(主幹) 宮 本 欽 生 現 職 東洋炭素株式会社 特別顧問 森 貞 好 昭 現 職 大阪大学 接合化学研究所 機能評価研究部門 助教 氏らは,ダイヤモンド粒子を分散させた超硬合金を超高圧製法を用いず商品化するために,ダイヤモンド粒子表面への SiCコーティング技術とSPS焼結技術を組み合わせて解決した.また,本合金の焼結メカニズムや,得られた合金のトラ イボロジー性能も解明した.
第29回
<技術進歩賞>
ディーゼルエンジン向けインジェクタ用電磁弁部品の開発
石原 千生,濱野 礼,濱松 宏武,赤尾 剛
石 原 千 生 現 職 日立粉末冶金株式会社 材料技術部 磁気部品グループ長 濱 野 礼 現 職 日立粉末冶金株式会社 技術本部 設計技術部 製品設計グループ 技師 濱 松 宏 武 現 職 株式会社デンソー 材料技術部 金属材料1室 担当係長 赤 尾 剛 現 職 株式会社デンソー 技術企画部 担当係長 氏らは,独自開発Fe-Si焼結磁芯材と拡散接合法及び,独自開発した超高性能軟磁性複合材料により,欧州環境規制対応 高性能ディーゼルエンジン用インジェクタ電磁部品である,複合アーマチャとステータを実用化した.この成果により, 粉末冶金の工業的技術進歩と応用市場分野の拡大に大いなる貢献をした.
Ca‐La‐Co系M型フェライト磁石の開発
小林 義徳,尾田 悦志,豊田 幸夫,細川 誠一
小 林 義 徳 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 尾 田 悦 志 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 研究員 豊 田 幸 夫 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 細 川 誠 一 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 研究員 氏らは,Ca-La-Co系で,従来のM型フェライト焼結磁石を大幅に上回る残留磁束密度と保持力を持つ新たなマグネトプラ ンバイト型化合物の組成領域を見出した.今後,フェライト磁石の応用分野の進展に大きく寄与するものと期待される.
第12回
<論 文 賞>
異方性微粉末成形体のHDDR処理により作製したサブミクロン結晶Nd-Fe-B系
異方性バルク磁石の組織と磁気特性
「粉体および粉末冶金」第57巻第1号
野澤 宣介,西内 武司,広沢 哲
野 澤 宣 介 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 所員 西 内 武 司 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 主任研究員 広 沢 哲 現 職 日立金属株式会社 NEOMAXカンパニー 磁性材料研究所 技師長 氏らは,ジェットミ ル粉砕した5μmの微粒子によるグリーン 成形体をHDDR処理することにより,任意形状に成形可能で 且つ真密度に近い異方性Nd-Fe-Bバルク磁石の作製に成功するとともに,優れた磁石特性に必要となる余剰Ndの理論量も明 らかにした.Dy含有Nd-Fe-B系焼結磁石と比べても遜色が無い磁石特性が達成されており,工業的・技術的に極めて優れた 成果が得られた.
FePt/SiO2複合型磁性ナノ粒子の作製
「粉体および粉末冶金」第57巻第9号
渕上 輝顕,河村 亮,山ア陽太郎,北本 仁孝,中川 勝,並木 禎尚
渕 上 輝 顕 現 職 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 物質科学創造専攻 博士課程在学 河 村 亮 現 職 大日精化工業株式会社 ファインポリマー事業部/技術本部 山 ア 陽太郎 現 職 東京工業大学 資源化学研究所 特任教授 北 本 仁 孝 現 職 東京工業大学 大学院 総合理工学研究科 物質科学創造専攻 准教授 中 川 勝 現 職 東北大学 多元物質科学研究所 高分子・ハイブリッド材料研究センター 教授 並 木 禎 尚 現 職 東京慈恵会医科大学 臨床医学研究所 講師
本論文は,有機分子を用いた表面修飾により,FePt/SiO2複合型コアシェルナノ粒子を合成する新規な手法を開発したものである.ナノコーテ
ィングしたFe-Pt規則合金相とシリカからなる複合型コアシェル粒子は,今後発展が期待される磁気ハイパーサーミアやドラッグデリバリーシス
テムへの応用が可能であり,新規性と将来性を兼ね備えた学術的に価値が高い論文と評価される.
第4回
<新技術・新製品賞(優秀賞)>
燃料電池用新規ニッケル系改質触媒の開発
戸田工業株式会社 高橋 真司,久行優梨恵,河端 優,蔵田 克彰 広島県立総合技術研究所 伊藤 幸一
第34回
<技 能 賞>
山陽特殊製鋼株式会社 江 藤 弘 満 株式会社神戸製鋼所 荻 野 孝 明 大阪冶金興業株式会社 尾 西 晃 日立粉末冶金株式会社 高 橋 二 郎 日立金属株式会社 谷 藤 義 雄 住友電気工業株式会社 月 森 康 雄 冨士ダイス株式会社 中 野 二三男 JFEスチール株式会社 中 村 保 株式会社ファインシンター 中 村 晴 美 住友金属工業株式会社 浜 野 博 史 ソニーケミカル&インフォメーションデバイス株式会社 松 永 融 株式会社ダイヤメット 丸 山 恒 夫 福田金属箔粉工業株式会社 宮 脇 秀 人 ナミックス株式会社 山 田 浩 一 株式会社ノリタケカンパニーリミテド 吉 岡 巧